横浜市青葉区市ヶ尾のクリニック。内科・呼吸器科・アレルギー科 --- きくち内科

横浜市青葉区市ヶ尾町 1167-1 TEL:045-532-5941

風邪、頭痛、腹痛、下痢などの急性の症状から、糖尿病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病まで、内科全般の病気に対応します。 長引く咳、胸痛、胸のレントゲン写真での異常、喘息、花粉症などについて、呼吸器専門医・アレルギー専門医として、適切なアドバイスをさせていただきます。 その他、禁煙外来、ED外来、健康診断を行っていますのでぜひご相談ください。

診療時間 【月・火・木・金】9:00~12:00/15:00~18:30 【土曜】9:00~12:00/14:00~17:00 【休診日】水曜、日曜、祝日

院長:菊池 敏樹 日本内科科学会 認定内科医 日本呼吸器学会 呼吸器専門医 日本アレルギー学会 アレルギー専門医(内科)インフェクション・コントロール・ドクター

コラム

◎一酸化窒素ガス分析装置 NIOX VERO(ナイオックス・ベロ)

 呼気NO測定装置をバージョンアップしました。気管支喘息の検査装置(NIOX VERO ナイオックス・ベロ)です。

気管支は口から肺の奥への空気の通り道ですが、喘息になると気管支の壁に慢性的に炎症が起こるようになります。炎症が起こると、気管支から一酸化窒素が放出されるようになります。
吐いた息に含まれる一酸化窒素(NO)の濃度を測定して気道の炎症状態を判断します。炎症の程度が分かれば、それに応じて薬の投与量を増減することも可能なため、治療の効率化にもつながるとされています。

気管支喘息の治療は一般的にはステロイドの吸入を行いますが、いつまで治療を続けるかが問題になります。この検査を行えば、治療をやめても良いかどうかが判断しやすくなります。
呼吸困難はあるが、喘息ではない病気があり、この場合はステロイドの吸入は効果がありませんが、一酸化窒素を測ることで、より的確に診断と治療を行うことができます。

◎呼吸機能検査

 息切れや咳など呼吸器系になにかありそう、というときに勧められる検査のひとつが「呼吸機能検査」です。「肺活量しらべましょう」と言われることも多いでしょう。厳密には、それぞれ、意味するものが違いますが、現場の医者が、外来などで患者さんに説明するときは、ほぼ、同じ意味で説明していると思います。
 ここでは、クリニックレベルで行われる「呼吸機能検査」について説明したいと思います。大学病院などで行うことができる、特殊な呼吸機能検査については最後に触れることにします。

■呼吸機能検査を受けるときの心構え

 心構え、などと書くと、なんだか怖い感じがしますね。
 実は、呼吸機能検査は患者さんの努力次第で結果が全く変わります。想像していただきたいのですが、おもいっきり息を吸ったり吐いたりするのって意外と大変で相当の努力が必要です。呼吸機能検査は、患者さんが吸ったり吐いたりした空気の量や勢いを評価するものですから、患者さんが「手加減」をすれば結果も不正確なものになります。
 そういう訳で、呼吸機能検査を受けるときには「めいっぱい、吸ったり吐いたりする」覚悟が必要なのです。
 たとえば、咳き込みが強くて十分に吸ったり吐いたりができなそうならば、担当の先生にその旨を伝えたほうがいいと思います。無理に行なった呼吸機能検査の結果はあてになりません。

■クリニックでやる「呼吸機能検査」

 クリニックによっては、かなり特殊な呼吸機能を測定できる装置を備えているところもあると思います。
 ここでは、私のところも含めて、ごく普通のクリニックで行われることが多い呼吸機能検査を説明します。
 理論的な話で書いていくと分かりにくいと思いますので、きくち内科で行っている呼吸機能検査の流れのなかで説明をしていきたいと思います。

■体重・身長の測定

 呼吸機能検査を行う前にかならず必要なのが、検査を行う時点の年齢と体重と身長の確認です。
 記憶があやふやな方は必ず検査前に測定します。なぜ体重や身長をしっかりと確認しなければならないか、それは「標準値」というものを出さなければならないからです。
 標準値を出す計算式は、年齢、体重、身長の項目があります。呼吸機能検査で測定した結果は、標準値と比べることでその意味合いを評価します。

■静的肺活量の測定

 身体計測が終わった後、まず「静的肺活量」を測定します。
 これはなんでしょうか。
 その前に、「肺活量」について書いておきます。肺活量というのは「どれだけの空気を吸ったり吐いたりできるか」ということです。
 縦軸に吸ったり吐いたりした空気の量の変化、検査の時間経過を横軸にして記録したものを「スパイログラム」といいます。
 では、「静的」肺活量というのはなんでしょうか。ざっくり言ってしまえば「ゆっくりと、めいっぱい空気を吐き出した状態からめいっぱい吸った空気の量」ということです。
 ここでは、「吐き出した状態から」と、「ゆっくり」がポイントです。
 静的肺活量の略語は「VC」です。「ゆっくり(slow)」という点を強調して「SVC」と書くこともあります。

■努力肺活量の測定

 静的肺活量の測定が終わった後、「努力肺活量」の測定をします。これは「めいっぱい空気を吸った状態から可能な限り勢い良く空気を吐き出した空気の量」の事になります。
ここでのポイントは「空気を吸った状態から」と「勢い良く」です。静的肺活量とだいぶ違うことがおわかりになると思います。努力肺活量の略語は「FVC」です。
 肺活量を測定するなら、SVCだけでいいと思いますよね。なぜ、FVCを測定するのでしょうか。それは「勢い良く」空気を吐き出す経過を記録することで、気管支の状態を推測することができるからです。
 想像してください。マックシェイクが目の前にあったとします。これについてくるストローは太めですよね。太いほうが「吸いやすい」からです。細いストローだとしたら吸うのがとても大変です。
 今度は、逆に、吐き出す方で考えてください。太いストローの方が空気が吐き出しやすく、細いストローの方が空気が吐き出しにくいですね。これを気管支に当てはめます。めいっぱい吸った状態から一気に空気を吐き出したとき、細くなった気管支は普通の気管支より空気が吐き出しにくくなっています。
 FVCを測定するときは、空気を吐き出し始めた瞬間から1秒間で吐き出した空気の量も測定します。これを「1秒量」と言います。略語は「FEV1」です。気管支が細くなっている人は、1秒量が小さくなります。どの程度1秒量が小さくなっているのかを評価するには、二つの指標があります。
 ひとつは、1秒量を努力肺活量で割り算します。これを「1秒率」といいます。略語は「FEV1%」です。これを元に気管支の細くなっている状態を判断します。
もうひとつは、1秒量を年齢、身長、体重から計算した標準値で割ったものです。「対標準1秒量」とよび、「%FEV1」と書きます。「%」の場所が1秒率と違いますね。
この指標は、標準的な1秒量との比較になり、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の重症度判定などに使われます。